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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍2 Ovarian leiomyomaの1例
安田 豊, 高島 明子, 桝谷 法生, 三宅 潔, 矢野 ともね, 木下 俊彦, 伊藤 元博
東邦大学付属佐倉病院産婦人科
卵巣原発の平滑筋腫の報告は極めて少ないが,今回我々は,卵巣平滑筋腫の1例を経験したので報告する.症例30歳,未婚女性,0回経妊.下腹部痛を主訴に来院.触診にて,腹腔全体を占める,圧痛を伴う不整形腫瘍が認められた.超音波検査,CT及びMRI所見から,腫瘍は子宮筋層内,漿膜下に発育する多発性子宮筋腫と考えられ,開腹手術を施行した.手術時所見:多発性子宮筋腫にて成人頭大に腫大した子宮と,灰白色で,表面平滑,弾性硬の新生児頭大に腫大した左卵巣腫瘍を認めた為,子宮筋腫核出術と左付属器摘出術を施行した.摘出した卵巣腫瘍は,18cm大であり,割面は硬く,灰白色で,唐草模様を呈した.病理組織所見は,HE染色にて,紡錘形細胞の増殖,束状・錯綜配列を認め,平滑筋腫の特徴を呈した.確定診断の為に免疫染色を行ったところ,α-smooth muscle actinが陽性であり,腫瘍は平滑筋由来と考えられ,卵巣平滑筋腫と診断した. 卵巣平滑筋腫は,一般に分娩経験のない閉経後女性に多く,直径は3cm以下で,開腹手術の際に偶然発見されるものが多いとされ,血管の平滑筋膜細胞,卵巣皮質の間質内の平滑筋細胞,卵巣固有靱帯などから発生するとの説があるが,発生機序は不明である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
149-149, 2004
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