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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍2
乳腺原発転移性卵巣癌の一例


苅谷 卓昭1), 津田 千春1), 五十嵐 雄一1), 吉田 典生1), 藤脇 伸一郎1), 鈴木 廉三朗1), 竹内 久清1), 林 和彦1), 石塚 文平2), 品川 俊人3)
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学産婦人科2), 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院病理3)


 転移性卵巣癌の多くは消化管悪性腫瘍原発であるが,乳腺原発のものが約1%あるといわれている.今回我々は,子宮内膜細胞診にて示唆されながらも術前診断に苦慮した乳腺原発転移性卵巣癌の一例を経験した.症例は46歳女性で,平成元年より左乳腺に腫瘤を自覚するも放置していた.平成8年10月腫瘤増大のため当院外科を受診したところ左乳癌の診断を受け非定型的乳房切除術が施行された.平成15年5月に右乳腺,皮膚再発転移のため化学療法が開始された.平成14年11月より当婦人科を受診,子宮内膜細胞診で経過観察していたところ,平成15年11月の子宮内膜細胞診でclassV,12月の子宮内膜組織診で乳癌転移を疑う腺癌が認められた.超音波診断とMRIでは子宮内膜増殖の所見なく,また両側付属器も正常大であったことから,組織で転移性子宮癌を疑うも確定診断に至らなかった.しかしながら平成16年1月,子宮全摘術,両側付属器摘出術,骨盤内リンパ節生検摘出術を施行した.肉眼的には子宮内膜,両側付属器には病変はなかったが,のちに判明した洗浄腹水細胞診はclassV,組織診で子宮内膜に病変はなく両側卵巣と両側卵管腔内に腺癌を認めた.組織は乳癌の像と一致し,乳腺のinvasive ductal carcinomaの転移性腫瘍と診断した.転移性卵巣癌は腫瘍の増大やそれに伴う症状,また原発悪性腫瘍の腫瘍マーカー上昇などで診断される場合が多いが,本症例のように転移の比較的早期と考えられる段階に発見されることは稀である.文献的に子宮内膜細胞診が診断に有用であった例が報告されているので考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 151-151, 2004


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