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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍3
成熟嚢胞性奇形腫内より発生した腫瘍の2例


中村 学, 水竹 佐知子, 臼井 真由美, 宮本 純孝, 富田 初男, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科


 成熟奇形腫は若年女性に好発する良性腫瘍であるが,続発変化として腫瘍内に種々の腫瘍が発生することがある.悪性転化は成熟嚢胞性奇形腫の約1〜2%に発生するといわれ,組織型としては扁平上皮癌が最も多い.今回我々は成熟嚢胞性奇形腫より発生した腫瘍内腫瘍を2例経験したので報告する.症例1は38歳の未婚女性.下腹部膨満感にて他医受診.卵巣腫瘍の診断を受け当院紹介受診.骨盤内を占拠する一部充実性部分を有する巨大嚢胞性腫瘍を認め,MRIでは未熟奇形腫が疑われた.腫瘍マーカーではCA125,CEAが高値を示した.開腹手術にて右付属器切除を施行.病理組織検査では,腫瘍内部の結節状部位に扁平上皮癌の浸潤性増殖を認めた.悪性転化と診断.現在,再発徴候は認めない.症例2は66歳の2経産の閉経後女性.アレルギー性肉芽腫性血管炎にて当院内科通院中に腹痛あり.精査目的で内科入院中に下腹部腫瘤を指摘され当科受診.右卵巣に一部充実部を含む約10cmの嚢胞性腫瘍を認めた.MRIでは両側の奇形腫で,片側は一部壁肥厚を認め,悪性転化も疑われた.腫瘍マーカーではCA125,CA19-9,SCCが高値を示した.開腹手術にて単純子宮全摘出,両側付属器切除を施行.病理組織検査では両側の成熟奇形腫であるが,左卵巣には軽度の核異型を伴う扁平上皮の乳頭状増殖部分を認めた.右卵巣には濾胞構造の不明瞭な濾胞上皮の胞巣状増生が観察され,若干の異型性が認められたため,濾胞腺腫ないし,その悪性化が疑われた.両側成熟奇形腫内に各々腫瘍性病変が発生する稀な例であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 152-152, 2004


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