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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍3 XY-pure gonadal dysgenesisの一例
高木 栄美子1), 大久保 貴司1), 江良 澄子1), 齋藤 麻紀1), 林 直樹1), 馬場 一憲2), 竹田 省1)
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科1), 埼玉医科大学総合医療センター周産期センター2)
【緒言】XY-pure gonadal dysgenesisは,Y染色体を有しながら,内性器,外性器ともに女性型をとる稀な性腺分化異常であり,悪性腫瘍を高率に合併することが知られている.今回我々は,骨盤内腫瘍で来院し,XY-pure gonadal dysgenesisと診断された症例を経験したので報告する.【症例】15歳,骨盤内腫瘍と両側水腎症を主訴に来院.家族歴に特記事項を認めず.身長165cm,体型は男性様,乳房はTanner1期,恥毛3期,子宮・膣を認,陰核の肥大は認めなかった.原発性無月経のため,染色体検査を行なったところ,46XYであり,SRY(+)を認めた.血液検査はLH56.0mIU/ml,FSH97.3mIU/ml,E2<10.0pg/ml,テストステロン47ng/ml.腫瘍マーカーはCA125 14u/ml,AFP感度以下,hCG-βCF 24ng/mlであった.超音波検査およびCT上,20cm大の充実性腫瘤と両側水腎症を認めた.術中所見は,子宮はくるみ大,左右卵管は存在し,右には約20cm大の表面平滑な硬い腫瘍が存在,左には索状の性腺が存在した.両側性腺摘除術およびリンパ節生検を施行.病理検査にてdysgerminoma associated with gonadoblastoma,Stage2c pT2c(a)N1M0と診断した.また,左の性腺は全て腫瘍であった.その後化学療法を施行しながら,HRTを継続中である.【結語】Dysgerminomaを合併したXY-pure gonadal dysgenesisの症例を報告するとともに,その病態および診断,治療につき考察する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
154-154, 2004
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