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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍3 卵管原発carcinosarcoma(homogenous type)の一例
伊佐早 純子, 茂田 博行, 三原 卓志, 望月 久美, 大庭 信彰, 長田 久文
横浜市立市民病院産婦人科
今回我々は,非常に稀な疾患である卵管原発carcinosarcomaの一例を経験したので報告する.症例は69歳,6回経妊4回経産,閉経53才.2001.11.1不正性器出血,食欲不振,腹満感を主訴に当院内科を受診した.腹部・骨盤部CT上はいわゆるomental cakeを認め,腹水多量であったが,大網以外には明らかな腫瘤を認めなかった.腹水細胞診classVであり,正常大卵巣癌症候群を疑い転科のうえ11.21手術施行.左卵管が2×3cm大に腫大しており,左卵管癌stageIIIb(pT3bNxM0)と診断,単純子宮全摘+両側附属器摘出+大網切除術を施行した.術後病理組織診断にてcarcinosarcoma with neuroendocrine differentiation(homologous type)と診断された.クロモグラニン,シナプトフィジン,S-100,Anti-human muscle actin(HHF35),Smooth muscle actinが免疫染色陽性であった.術後パクリタキセルとカルボプラチンによる化学治療を8クール施行.5クール終了時点で腫瘍マーカーは正常値化したが(術前CA125 730U/ml,術後 330U/ml,5クール終了時 11U/ml),その後再上昇しCA125 312U/mlに達し,残存大網に再発腫瘍を認めた.そのためドセタキセルとカルボプラチンによる化学治療に変更し,1クール施行したが,癌性腹膜炎が増悪し,2003.8. 18死亡確認した.卵管癌は一般に予後不良であり,早期診断が重要であるが,非常に困難であるのが現状である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
155-155, 2004
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