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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍3 術前診断できなかった卵巣膿瘍の一例
羽田 智則, 川口 牧子, 中川 博之, 隅田 能雄, 春日 義生
足利赤十字病院産婦人科
我々は,炎症所見に乏しく,超音波検査およびMRI検査にて嚢胞壁の肥厚や壁内に充実部分を認め,卵巣悪性腫瘍が術前に疑われたが結果的に卵巣膿瘍であった一例を経験したので報告する.【症例】37歳,0経妊.平成15年4月,月経痛,下腹部腫瘤にて初診.平成14年12月に発熱を伴う下腹痛を認めていたが病院受診せず,自然軽快した既往があった.平成15年4月他科の診療時に下腹部腫瘤を指摘され,当科を受診.超音波検査にて長径12cmを超える内容が均一な卵巣嚢腫を認め,また,以前より月経痛が強かったことから子宮内膜症性嚢胞を疑い,ダナゾール療法を開始した.しかし,MRI検査にて左卵巣由来の壁が肥厚した単房性卵巣嚢腫で,壁から内腔に向かって突出する腫瘤塊を認め,ガドリニウムにて増強されたため,卵巣悪性腫瘍(境界悪性腫瘍)が疑われた.本人の希望により手術療法ではなく,外来での厳重な経過観察となった.その間持続する下腹痛などの炎症症状は見られなかった.再度のMRI検査の結果,卵巣嚢腫は軽度縮小したものの,壁から突出する腫瘤塊が存在するため,手術を施行した.腫瘍は膿瘍であり,術中迅速病理診断の結果悪性が否定されたため左付属器切除のみで終刀した.病理の最終診断は分類不能の炎症性良性嚢腫であったため,卵巣膿瘍と診断した.術前には炎症所見がほとんどなく,画像診断上悪性腫瘍が疑われたが,結果的に卵巣膿瘍であった症例である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
156-156, 2004
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