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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
子宮筋腫・子宮内膜症 子宮筋腫に感染を合併し全身管理を要した2例
地主 誠, 糸賀 知子, 宮国 泰香, 的野 博, 飯田 信, 多和田 哲雄
国際親善総合病院産婦人科
今回子宮筋腫に感染を合併し全身管理を要した2症例を経験したので報告する.<症例1>平成4年(45歳)初診.小児頭大の子宮筋腫を認め,手術を勧めたが希望せず外来経過観察とした.平成7年高度貧血となり,筋腫増大傾向もあるため再度手術を勧めるも希望せず,平成9年1月を最後に受診しなくなった.平成14年12月6日(55歳)発熱,めまい,食欲低下にて救急外来受診.心房粗動,頻脈あり,WBC 15300 CRP 24.4と高度の炎症所見および,CT上高度変性を伴う子宮筋腫を認めた.子宮を感染源とするseptic shockを考え,翌日腹式単純子宮全摘術,両付属器切除術を施行した.術後ICUでエンドトキシン吸着療法,DIC治療を施行し,軽快した.病理診断は広範な変性,壊死を伴う平滑筋腫であった.<症例2>平成15年12月6日(51歳)発熱を主訴に近医受診.巨大な下腹部腫瘤と高度貧血が認められたため12月8日当院搬送となった.来院時呼吸苦を訴え,血液ガス分析ではpH7.460 PCO2 26.8mmHg PO2 61.4mmHgであり,胸部レントゲンでは肺水腫を呈していた.WBC 14960 CRP 28.0と高度の炎症所見とCT上嚢胞変性を伴う巨大子宮筋腫を認めた.子宮筋腫に感染を合併しARDSとなったと考え,同日腹式単純子宮全摘術,両付属器切除術を施行した.著明な子宮内膿瘍を認めた.術後ICUにてエンドトキシン吸着療法,全身管理をおこない軽快.病理診断は高度の変性,壊死と膿瘍を伴う平滑筋腫であり,一部にmitosisを認めた.現在子宮肉腫として外来経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
157-157, 2004
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