|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
子宮筋腫・子宮内膜症 Gn-RH agonistによる1コースの治療前後における内分泌と骨密度変化の検討
矢追 正幸, 濱田 佳伸, 安藤 昌守, 友部 勝実, 林 雅敏, 大藏 健義
獨協医科大学越谷病院産婦人科
【目的】子宮内膜症と子宮筋腫の治療法にGn-RH agonistがある.治療経過における内分泌変化や骨密度,さらに尿中パラメーターに関する報告は少ない.今回,子宮内膜症と子宮筋腫患者に対して行ったGn-RH agonistによる治療1コース(月に1回で6ヶ月間)施行前後の各変化について報告する.【方法】対象は,当科を受診した周期的に月経のある子宮内膜症3症例と子宮筋腫11症例の計14例である.Gn-RH agonistとして酢酸ブセレリン1.8mgを7症例(年齢:45.28±4.4歳,M±SD,BMI:21.75±2.2)と酢酸ゴセレリン1.8mgを7症例(年齢:46.57±1.6歳,BMI:21.96±3.62)に分け投与した.施行2週間前と終了1ヶ月後に血中のFSH,LH,E2,DXA法による腰椎骨密度BMD(L2-L4)と骨吸収マーカである尿中I型コラーゲンN末端テロペプチド(NTX),さらに尿中のCaとPHの測定を行なった.統計学的解析にはWelch′st-testとMann-WhitneyのU検定を用いp<0.05を有意の判定とした.【成績】施行前後で有意差があったのは酢酸ゴセレリン使用例であり,血中E2(pg/ml):56.9±56.3 VS 12.86±4.0(p<0.05),NTX(nmolBCE/mmol・Cr):42.61±10.1 VS 67.00±30.7(p<0.05),尿PH:5.71±0.6 VS 6.36±0.6(p<0.04)だけであった.その他は有意差を認めなかった.また,2群間のパラメーターに有意差は見られなかった.(P=0.4884)【結論】今回の検討では,酢酸ブセレリンより酢酸ゴセレリンを6ヶ月間使用する方が血中E2をより低下させ,それによる尿中NTXの上昇と尿中PHに変化があったが,腰椎骨密度の低下は両薬とも軽く治療前後で有意差がなかった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
161-161, 2004
|