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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
手術 インジゴカルミンが,腹腔鏡下子宮筋腫核出術におけるヘモキューTMを用いた出血量算定に与える影響
大島 正行1), 島田 洋一1), 菊地 盤2), 北出 真理2), 武内 裕之2), 木下 勝之2)
日本医科大学麻酔科学教室1), 順天堂大学産婦人科2)
腹腔鏡下子宮筋腫核出術においては,出血部位や止血の確認のため生理食塩液での洗浄を行なうために,正確な出血量の算定が困難である.我々はヘモキューTMを用いて回収液のヘモグロビン(Hb)を測定し,術中の出血量を算定している[(算出出血量)=(回収液量)×(回収液中のHb)÷(術前のHb)].本手術は不妊症症例に行われることが多く,卵管の開通性の確認にインジゴカルミン(IC)を注入することもあり,回収液に混入すると,出血量算定に影響を及ぼすことが危惧される.【対象と方法】腹腔鏡下で子宮筋腫核出術を行なった19症例.対象患者は,平均年齢35.4歳,身長159.4cm,体重54.0kgであった.生理食塩液使用終了後に回収液を50ml採取し,ICを0ml,0.1ml(0.4mg),0.2ml(0.8mg),0.5ml(2.0mg),1.0ml(4.0mg)加えてヘモキューTMを用いてヘモグロビンを測定した.【結果】回収液のHbは全例で測定可能で,0.2―2.2g/dlであった.IC添加により,対照群と比較して,0.5ml,1.0ml群ではHbは有意に増加した.【考察】ヘモキューTMを用いて回収液のHbを測定し算定する出血量は,ICの混入が多量になると影響される.実際の臨床では回収液500mlに対して,ICは最大2ml混入すると思われるが,この程度では測定および算出における誤差はないと思われた.【結語】腹腔鏡下子宮筋腫核出術において,ヘモキューTMは操作が簡便で出血量の算定に有用で,臨床的にはIC混入の影響を受けない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
164-164, 2004
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