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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
腫瘍/思春期・更年期・老年期
当科における婦人科癌脳転移症例における臨床的検討


安達 博, 沼田 雅裕, 小林 奈央, 磯村 直美, 坪倉 かおり, 上田 敏子, 松本 美奈子, 尾崎 智哉, 渋谷 伸一, 青木 茂, 中山 理, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院産婦人科


 緒言)転移性脳腫瘍は脳腫瘍全体の15―20%といわれるがその4%が婦人科癌原発との報告がある.当科において過去10年間に婦人科癌691例中6例の転移性脳腫瘍(子宮内膜癌2例,子宮頚癌2例,卵巣癌2例)を経験した.6症例について臨床的検討を加えたので代表的な2症例の提示を含めて報告する.結果)症例は平均年令54.2才でありその組織型は粘液性腺癌,腺扁平上皮癌,小細胞癌,漿液性腺癌,明細胞腺癌であった.他の転移巣としては肺が4例で認められた.脳転移診断までの平均期間は17.4ヶ月であった.頭痛,嘔気などの脳圧亢進症状,握力低下,片麻痺などの巣症状から脳転移を疑った.転移巣に対しては手術,放射線療法を施行した.結語)過去10年間で6例の婦人科癌脳転移症例を経験した.脳転移率は0.86%であった.脳転移をきたした症例には予後不良で知られる組織型の癌が多くみられた.婦人科癌における脳転移症例は稀であるが症状から早期診断も可能であると考えられたが予後改善の可能性については全身状態によって左右されると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 168-168, 2004


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