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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
腫瘍/思春期・更年期・老年期
更年期障害と紛らわしい症状を示した内科疾患の2例


田中 躍, 五來 逸雄
国際医療福祉大学附属熱海病院産婦人科


 更年期障害の患者は多様な症状を呈し,他科疾患との鑑別に慎重を要する場合がある.他方,典型的な症状を有する患者では初診時から治療を開始することが多い.今回更年期障害を主訴として訪れ,ホルモン補充療法前のルーチン検査にて内科疾患が判明した2症例を経験したので報告する.症例1:44歳,2経妊2経産婦.未閉経であったが6ヶ月前より月経は不順であった.2ヵ月前より全身倦怠感,のぼせ,発汗及び口渇を自覚.当科受診し更年期障害の診断にて本人の強い希望によりホルモン補充療法(HRT)を開始した.口渇あるためHbA1cも測定.血糖値:389mg/dl,HbA1c:11.8%のため糖尿病が疑われ内科紹介,精査にてII型糖尿病の診断,現在内科で食事療法及びインスリン治療中である.症例2:51歳,3経妊3経産婦.未閉経であったが6ヶ月前より月経は不順となる.約2年前より倦怠感や易疲労性など更年期様の症状はあったが自制内.1週間前より同症状増悪し当科受診.更年期障害を疑い,ルーチンの採血検査の結果,AST:451u/l,ALT:1001u/lと高値を認めたため内科併診,即日入院となった.入院後経過観察にて症状軽快,現在内科外来フォロー中である.肝機能障害の原因は他院での処方による薬剤性のものと推定された.HRTの情報が浸透するにつれ,HRTを希望して産婦人科を受診する患者も増えている.HRTを開始する時には内科的疾患の可能性も考慮して,慎重に対処することが臨床上重要と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 170-170, 2004


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