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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
不妊・不育/子宮奇形 配偶子におけるミトコンドリアDNA点変異の発生頻度
文 聖恩, 末岡 浩, 田島 博人, 渡邊 広是, 渡邉 昌紀, 前田 太郎, 橋場 剛士, 浅田 弘法, 岩田 壮吉, 久慈 直昭, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶應義塾大学産婦人科
【目的】Real time PCRを用いたallelic discrimination assayは1塩基の配列の2つのバリアントの同定が可能といわれている.今回我々は未受精卵と正常所見の精子およびリンパ球におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)の点変異T8993Gの比率をReal time PCRを用いたallelic discrimination assay法を用いて測定した.【方法】卵子はIVFの過程で廃棄される150個の未受精卵および精子としてはWHO criteriaによる正常所見の10検体からswim-up回収精子をインフォームドコンセントを得て使用した.対象として健康成人のリンパ球から抽出したDNAを用いた.Leigh症候群などの原因とされるmtDNAのT8993G変異の比率を正常と変異に各々違う蛍光がついたプローブを利用しABI PRISM®7000sequence detection systemによる対象のPCR産物にallelic discriminationを行った.【結果】リンパ球および正常精子に比べ,個々の未受精卵は正常アレルに対する変異アレルの比率が高く,散布図上雌雄配偶者における正常と変異のアレルの構成比率は明らかに異なる集積分布を示した.また,未受精卵の間で加齢との関係は認めなかった.【考察】正常精子やリンパ球に比べ,IVF上受精に至らなかった卵はT8993Gにおける変異が高かったことから,卵子側の条件として受精および初期胚発生にmtDNAの変異の比率が関わっていることが示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
173-173, 2004
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