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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩3
最近経験した臍帯卵膜付着の4症例


深見 武彦, 藤江 裕美, 斎藤 恵, 松島 隆, 小西 英喜, 可世木 久幸, 朝倉 啓文, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科


 臍帯卵膜付着の発生頻度は約1%前後と少ないが,子宮内胎児発育遅延,non-reassuring fetal status,早産,子宮内胎児死亡などの周産期罹病率が高く妊娠予後を左右する重要な因子の一つである.今回われわれは,臍帯卵膜付着を4症例経験したので報告する.(症例1)30歳,2G1P妊娠32週6日に性器出血を認めるため来院,CTGでは2―3分毎に子宮収縮を認めたが,胎児心拍は良好であった.超音波検査にて胎盤実質とは離れた所に血腫像をみとめた.切迫早産および常位胎盤早期剥離の可能性も考慮し入院管理とした.その後妊娠34周4日自然破水し経腟分娩となった.児はApgar score 9/10,1704g,分娩中のCTGではnon-reassuring FHB patternは見られなかった.(症例2)31歳,1G1P妊娠経過は特記すべきことなし.妊娠41周3日分娩誘発目的にて入院し同日経腟分娩でApgar score 9/9,3552gの児を娩出した.分娩中のCTGではnon-reassuring FHB patternを認めなかった.(症例3)26歳,2G0P妊娠経過は特記すべきことなし.妊娠39週2日,妊婦健診時にAFI 3.2と羊水過少を認めた.健診中に胎児心拍数が50―70bpmにて1分以上の回復しないためnon-reassuring fetal statusと判断し緊急帝王切開とした.児はApgar score 9/9,3014gであった.(症例4)妊娠40週1日,他院にて分娩誘発中に突然胎児心拍数が80bpm以下となり回復に10分以上を要したため当院に母体搬送され,緊急帝王切開となった.児はApgar score 8/9,2650gで右手に多指症の合併があった.これらの症例をもとに臍帯卵膜付着の周産期管理について考察する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 189-189, 2004


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