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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩3 子宮頚部海綿状血管腫合併妊娠の2例
上山 和也, 斉藤 知見, 國井 優衣子, 杉山 真理子, 小林 優子, 中村 貴則, 田口 雄史, 池田 申之, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学浦安病院産婦人科
子宮頚部海綿状血管腫は,きわめて稀である.しかし,妊娠に合併すると妊娠中にしばしば大量に出血し,その管理は難しい.今回我々は,妊娠に合併した子宮頚部海綿状血管腫の2例を経験したので報告する.【症例1】37歳,初産婦.妊娠35週,他院より外子宮口に静脈瘤と思われる腫瘤を認めたとの事で当院へ紹介となった.診察上,子宮膣部に怒張する静脈瘤を認め,また経膣超音波カラードップラー法にて,子宮膣部に豊富な血流を認めたため,妊娠合併子宮頚部海綿状血管腫と診断した.入院安静にて経過観察していたところ,妊娠37週0日に突然大量の出血を認めたため,緊急帝王切開となり女児3002g,Apg9点にて娩出した.児娩出後も子宮頚管内部から大量出血が持続し,左右子宮動脈の結紮を行うも止血に至らず,止む無く子宮全摘を施行した.総出血量6000mlであった.【症例2】29歳,初産,妊娠32週6日に,大量性器出血によるショック状態で当院に救急車搬送となった.来院時,子宮膣部に怒張した静脈瘤を認め,その部より大量のわき上がるような出血を認めた.大量のガーゼを用いて圧迫止血の後確認したところ同様の診断となった.安静加療の後,妊娠37週5日,帝王切開術にて児を娩出した.2910g,女児,Apg9であった.児娩出後,子宮膣部よりの出血点が外子宮口付近であったためこれを縫合止血し,子宮温存可能であった.総出血量1370gであった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
191-191, 2004
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