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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩4
子宮腺筋症部分切除術後の妊娠において不全子宮破裂をきたした一例


小山 麻希子, 丸山 康世, 長谷川 哲也, 勝畑 有紀子, 高島 邦僚, 春木 篤, 奥田 美加, 安藤 紀子, 石川 浩史, 高橋 恒男
横浜市立大学附属市民総合センター母子医療センター


 子宮腺筋症部分切除術は,一部施設において試験的に施行されている.しかし,その妊娠・分娩予後については未だ十分に検討されているとは言い難い.今回,他院で子宮腺筋症部分切除術を施行後に妊娠成立し,帝王切開を施行したが,術中に不全子宮破裂と診断された症例を経験したので報告する.30歳,1回経妊0回経産.既往歴特記事項なし.27才時月経困難のため近医受診.子宮腺筋症の診断にて,腺筋症部分切除術を施行.術後経過は順調であったという.30才時妊娠成立し当センター受診.妊娠経過中に腹痛等の異常は認めなかったが,上記手術の影響による子宮破裂の危険性が否定できないため,帝王切開による分娩の方針とした.妊娠37週1日選択的腹式腹膜内深部帝王切開術施行.子宮体部前壁に5×5cmの広さにわたって筋層が欠損し不全子宮破裂となった部位が存在し,上記手術の創部であったと推定された.児は男児2814g,アプガースコア1分後7点で異常を認めなかった.術後経過は順調であった.子宮腺筋症部分切除術の術後の妊娠,分娩の報告は少ない.本症例は幸いにして不全子宮破裂でとどまり生児を得ることができたが,子宮破裂をきたす可能性も否定できない.子宮腺筋症部分切除術の妊娠・分娩予後についてはさらなる検討が必要であると考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 192-192, 2004


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