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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩4
耐糖能異常妊婦の周産期管理におけるインスリン分泌能およびインスリン抵抗性の評価の有用性に関する検討


須波 玲, 角野 英理子, 奥田 靖彦, 小室 真祐子, 小林 洋子, 端 晶彦, 平田 修司, 星 和彦
山梨大学産婦人科


 【目的】本邦女性における妊娠時の耐糖能異常の特徴を糖代謝に関連した簡易指標を用いて明らかとし,周産期管理における有用性について検討を行う.【方法】経口糖負荷試験(以下OGTT)に対する同意の得られた妊婦265名を対象として,その結果をもとに対象者を1)妊娠糖尿病群(以下GDM群),2)境界型耐糖能異常群(以下GDM1群),3)正常群(以下NORMAL群)の3群に分けてインスリン分泌能およびインスリン感受性について検討した.簡易指標としてInsulinogenic Index(以下I. I.),Insulin Sensitivity OGTT(以下IS-OGTT)を用いた.各々の簡易指標をmatchingさせて耐糖能異常群と正常群との比較検討も行い,その有用性につき検討を行った.【結果】3群間のIS-OGTTに有意差はみられなかったが,GDM群およびGDM1群のI. I.はNORMAL群に比較して有意に低値を示した.I. I.をmatchingさせた症例間での検討において,OGTT時の平均血糖値はインスリン抵抗性,母体体重,母体年齢との間に有意な正の相関を認めた.【結論】インスリン分泌能が低い女性は妊娠時に耐糖能異常を生じやすく,その傾向はインスリン抵抗性に依存して高まることが示された.I. I.低値の女性は今回妊娠時に耐糖能異常を発現することがなくても,次回以降の妊娠時に他の女性と比較して耐糖能異常を発現する危険性が高いと推察され,GDM発症の危険因子としてI. I.を用いたインスリン分泌能の評価が重要であることが示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 194-194, 2004


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