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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩5
HELLP症候群にARDSを併発し,好中球エラスターゼ阻害療法を行い治癒した1例


松浦 広明1), 河村 隆一1), 小林 友季子2), 中村 友紀1), 沼野 由記2), 小澤 英親1), 西口 富三1), 杉村 基1), 金山 尚裕2)
浜松医科大学周産母子センター周産期センター1), 浜松医科大学産婦人科産婦人科2)


 HELLP症候群は迅速な診断と治療を必要とし,適切な処置が遅れると母体死亡や周産期死亡を引き起こす重篤な疾患である.今回,HELLP症候群にARDSを併発し治療に苦慮した症例を経験したので報告する.症例は29歳,妊娠33週6日に自然破水,その後陣痛発来し前医入院,同日吸引分娩となった.分娩後より高血圧,嘔気・嘔吐を認め血液検査にて肝酵素の上昇(GOT 565 U/l GPT 363 U/l),血小板の減少(Plt 9万/ul)を認めHELLP症候群が疑われた.また膣壁血腫も増大していたため当院へ産褥搬送となった.入院後,抗DIC療法を開始,さらに全身麻酔下で血腫除去術施行した.帰室後より呼吸苦出現,SpO2の低下,血液ガスにてPO249mmHg,また胸部X-P及びCT所見にて両側の肺浸潤影を認めたためARDSの診断でICU管理となった.HELLP症候群に対し抗DIC療法,ARDSに対しては人工呼吸管理,ステロイドパルス療法,及び好中球エラスターゼ阻害薬による治療を行った.これらの処置により症状・検査所見とも改善し産褥6日目に抜管,産褥8日目にICU離脱,その後は順調に軽快し産褥31日目に退院となった.HELLP症候群の成因,妊娠中毒症との関連性,診断基準などはまだ明らかではないが,一般的に妊娠中毒症があると起こりやすく,DICを併発して予後不良となる.症例を呈示するとともにHELLP,ARDS管理につき考察する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 197-197, 2004


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