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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩5 当科で経験した常位胎盤早期剥離54症例の臨床的検討
磯村 直美, 成瀬 寛夫, 尾崎 智哉, 松本 美奈子, 安達 博, 渋谷 伸一, 村越 毅, 青木 茂, 中山 理, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院産婦人科
【目的】当院で経験した常位胎盤早期剥離症例についてその臨床的特徴を明らかにする.【方法】1997年から2003年までに当院にて分娩を取り扱った常位胎盤早期剥離症例54例を対象とし,診療録をもとに,成績で示す項目について検討した.【成績】(1)分娩週数:34.9±3.0週(25〜43週,37週以降は7例),(2)児生存群:34例,児死亡群:20例(うち2例が早期新生児死亡),(3)院内管理:21例,母体搬送:33例,(4)初発症状:下腹部痛28例,性器出血22例(重複あり),(5)初診時理学所見:性器出血35例,腹部板状硬29例(重複あり),(6)初期診断:常位胎盤早期剥離33例,切迫早産7例(うち母体搬送5例),胎児ジストレス7例,37週以降で陣痛発来入院後常位胎盤早期剥離と診断されたもの3例,(7)超音波断層法胎盤所見:胎盤肥厚17例,胎盤後血腫17例,所見なし16例,(8)CTG所見:多彩であったが,variable deceleration9例,prolonged bradycardia8例,(9)症状出現から児娩出までの時間:児生存群182±13分,児死亡群247±116分(有意差あり,p<0.01),(10)胎盤剥離面積:児生存例群19.6±12.5%,児死亡群74.1±25.0(有意差あり,p<0.01),(11)産科DICスコア:6.5±1.7点(8点以上17例),抗DIC療法施行36例,輸血施行21例(重複あり)【結論】(1)児死亡群は症状出現から児娩出までの時間が長く,胎盤剥離面積も大きかった.(2)下腹部痛・性器出血例は,常位胎盤早期剥離も疑い超音波断層法での胎盤のチェック,厳重な胎児モニタリングが必要である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
199-199, 2004
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