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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
産褥 分娩後の膣血腫に関する経直腸的圧迫止血法の検討
鈴木 麻水, 木村 俊夫, 藤田 聡子, 真島 洋子, 渡辺 浩二, 酒見 智子, 塩田 恭子, 齊藤 理恵, 板坂 俊典, 栗下 昌弘, 佐藤 孝道
聖路加国際病院産婦人科
【緒言】分娩後の膣血腫は約300―1000分娩に1例みられ,決して稀な疾患ではない.膣血腫の多くが肛門挙筋より頭側に発生し後腹膜腔まで達する可能性もあり,出血性ショックによる死亡例も報告されている.分娩後の膣血腫の治療は,外科的に出血点の止血が基本であるが実際には出血点は不明なことが多く,しばしば困難を伴う.最近では透視下に出血血管を同定し塞栓の報告も多いが,設備や熟練した手技を要する.いずれの方法でも治療までにある程度の時間を要し,その間の出血量も問題となる. 【症例】分娩後の膣血腫2症例に対し,治療および出血量減少目的で経直腸的にオバタメトロを挿入した.1例は,同手技にて完全に止血し,他の1例は明らかな出血量減少を認めた. 【結論】分娩後の膣血腫に対し,経直腸的なオバタメトロの挿入は手技が簡便であり,副作用もほとんどないため,緊急時に治療法の1つとして,治療および出血量減少目的で試みる価値がある.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
202-202, 2004
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