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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
産褥
産褥に横断性脊髄炎を発症した1症例


江良 澄子1), 林 隆1), 岩田 睦1), 村山 敬彦1), 齋藤 正博1), 林 直樹2), 馬場 一憲2), 竹田 省2)
埼玉医科大学総合医療センター周産期センター1), 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科2)


 横断性脊髄炎とは,多発性硬化症の初発,膠原病や感染などが原因で,一ないし複数の髄節にわたり,急性または亜急性に脊髄の横断面全体に炎症が生じる病態である.我々は,産褥期に四肢の脱力感で発症し,血栓症の疑いで当院産褥母体搬送になったが,横断性脊髄炎の診断に至り,ステロイドパルス療法で軽快した症例を経験したので,報告する.症例)25歳1G1P近医にて妊婦健診を受け,前回帝王切開の適応で妊娠39週1日に選択的帝王切開施行.術後4日目より両下肢疼痛四肢筋力低下出現.次第に増強し,術後6日目深部静脈血栓症の疑いで,当院産褥母体搬送された.来院時両上肢しびれを訴えており,眼球運動正常.来院時に両上肢挙上困難,歩行困難,四肢筋力低下を認めた.四肢に腱反射異常や知覚左右差なく,検査ではWBC 11600/μl Plt 27.8/μl CRP9.3 Dダイマー2.02μg/dlで,胸部X-P心電図で異常所見認めず,超音波,肺換気血流シンチ,両下肢静脈造影検査において,血栓症肺塞栓症は否定的であった.入院後,神経筋疾患疑われ,当院神経内科を受診.臨床所見より,変形性脊椎症,頚部脊髄炎,多発性硬化症が鑑別診断にあげられた.術後7日目頚部MRIT2強調像にて,脊髄に軽度高信号域を認めた.術後9日目臨床症状に変化なく,WBC13000/μl CRP16.0と炎症所見の悪化を認めたため抗生剤開始.症状改善なく,ここまでの経過から急性横断性脊髄炎(多発性硬化症の初発)と診断し術後11日目にステロイドパルス療法を施行.その後急速に症状改善し,術後16日目経過良好で退院となった.結語)症例を提示し診断及び管理につき考察する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 205-205, 2004


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