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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
胎児・新生児1 13週にIUFDとなり早期TTTSが疑われたMD双胎の一例
江成 太志, 金子 英介, 川村 久恵, 中川 圭介, 山藤 晶子, 上里 忠和, 大岡 史子, 五十嵐 敏雄, 梁 善光
帝京大学付属市原病院産婦人科
双胎の周産期死亡率は単体妊娠と比較して,二絨毛膜二羊膜双胎(以下DD双胎)では約10倍,一絨毛膜二羊膜双胎(以下MD双胎)では約60倍とされる.そのうちMD双胎では高率に臍帯血管の吻合を有し,15〜30%に双胎間輸血症候群(以下TTTS)を発症するが多くは20週以降で診断され,first trimesterにTTTSが認められることは少ない.今回我々はMD双胎と診断された妊婦で,13週に両児ともIUFDとなりその原因として早期TTTSが疑われた症例を経験したので報告する.症例は24歳初産.自然妊娠にて双胎を妊娠し,膜性診断でMD双胎と確認された.12週6日の受診時は特に異常なかったが,13週6日の受診時には2児とも心拍が消失しておりIUFDと診断され,14週3日,プロスタグランディン誘発にて死産に至った.娩出した児は共に男児で,1児が43g・暗赤色調であったのに対し,2児は35g・白色調であった.また,両児の臍帯の付着部位は非常に近接しており,これらの所見からIUFDの原因としてTTTSが疑われた.IUFD診断時までの経膣超音波では,羊水差,Nuchal translucency(以下NT)などは見られなかった.TTTSの発症は羊水差,児の体重差などの超音波所見から認識されるため,妊娠中期からの診断が一般的である.しかし,TTTSの20週以前の発症は予後不良とされ,また妊娠初期にNTを認めた双胎に重症TTTSの発症が多いと報告されるなど,first trimesterからのTTTSの診断・管理は重要になりつつある.早期TTTSの発症について文献的考察を交え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
206-206, 2004
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