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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
胎児・新生児1
Nuchal Translucency(頚部肥厚)より出生前胎児診断された46,X,+mar/45,Xモザイクの1例


田續 綾野1), 橋口 和生1), 松田 義雄1), 宮原 優子1), 松峯 美貴1), 清水 雄二2), 安達 知子1), 太田 博明1)
東京女子医科大学産婦人科1), 緑風荘病院産婦人科2)


 症例は29歳の初産婦で.近医にて妊婦健診施行中,妊娠11週の時点で胎児Nuchal Translucency(頚部肥厚)を認め,妊娠15週に羊水検査施行した.その結果,46,X,+mar/45,Xにて,モザイク型ターナー症候群の診断をうけた.その後も妊娠継続し,妊娠26週の超音波検査上,胎児に陰嚢を認め,外表的に男児が考えられた.このため,妊娠27週に当院産科に紹介受診となった.当科におけるその後の数回の超音波検査でも陰嚢を認めたが,その他の異常所見はなかった.そのため,marker染色体は異常Y染色体の可能性があることを家族に説明した.妊娠は順調な経過にて,妊娠38週で正常分娩となり2808gの男児であり外見上は特に異常所見を認めなかった.出産後の検査結果は,FISH法にてmarker遺伝子はY染色体短腕p11.3を切断点とする同腕二動原体染色体であることが確認された.今後,男児として継続的精査を予定している.【結論】今回のようなケースは,成人の不妊症検査などで気付かれる場合が多く,Nuchal Translucencyから46,X,+mar/45,Xモザイクの出生前診断されることは稀である.しかし,妊娠初期にモザイク型ターナー症候群と診断をうけながら,その後の検査により,一転して,男性のモザイク型染色体異常が推測され混乱を招いた.このことは,出生前診断の限界と慎重な出生前の対応の必要性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 209-209, 2004


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