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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
胎児・新生児1 当院での羊水検査311症例の検討
福田 友洋, 服部 里佳, 箕浦 茂樹, 山口 俊也, 古澤 祐紀, 伊藤 めぐむ, 堀川 隆, 小早川 あかり, 桝谷 法生, 五味淵 秀人, 中村 幸夫
国立国際医療センター産婦人科
【目的】羊水染色体検査数は,高齢出産の増加に伴い増加しているが,流産,死産の可能性があったり,分析不能例もある.当院で施行した羊水検査症例よりその問題点を検討する.【対象】1988年から2003年当院で施行した羊水染色体検査311症例【結果】羊水検査の適応は高齢出産が全体の71%で,以下35歳未満の本人の強い希望が11%,染色体異常児出産既往が5%,超音波診断による胎児奇形疑い(2001年よりNT異常を含む)が3%と続いた.染色体異常の出現率は4.1%であった.適応別にすると転座型染色体保因の確定診断者,染色体異常児出産既往,胎児奇形疑いでは25%,11.8%,10%,と高頻度で染色体異常を認めた.胎児奇形疑いの染色体異常症例はNT異常によるものだった.一方,高齢出産,35歳未満の本人希望では2.27%,2.9%と低出現率であった.流産は1症例で,0.32%の発生率となった.検査との関連性は不明であるが22週以降のIUFD症例が2症例で,0.64%の発生率となった.染色体分析が不可能であったものが6症例存在した.4症例が雑菌混入,1症例が胎盤位置の不良,1症例が羊水吸引不能であった.【考察】高齢出産を適応にする染色体異常出現は2.27%にとどまった.穿刺に伴う流産,IUFDが合せて約1%で生じていることを考慮するならば,より適切な情報を患者に与え,検査希望の有無を問う必要がある.胎児奇形疑いで唯一染色体異常を示したのはNT異常症例であり,検討症例は少ないもののNT異常と染色体異常の関連性は高いと考える.雑菌混入で分析不能となった症例が1.29%存在し,清潔操作に気を配る必要がある.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
210-210, 2004
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