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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
胎児・新生児2
先天性空腸回腸閉鎖の出生後治療と胎児超音波所見の関連について


太田 篤之1), 伊藤 茂1), 中村 靖1), 仁科 秀則1), 吉田 幸洋2), 木下 勝之1)
順天堂大学産婦人科1), 順天堂大学浦安病院産婦人科2)


 【目的】胎内診断された先天性空腸回腸閉鎖は一般的に出生直後より手術の適応となることが多い.手術は一期的に端々吻合を行うことが理想であるが,術中の状態によっては人工肛門造設を行い二期的再建術が行われることもある.また,残存小腸の長さは術後の栄養吸収と関連し,栄養障害を発症することが多いとされている.そこで今回我々は胎児期での超音波所見が出生後の治療に対しどれだけ有用な情報を提供することができるかを目的とした.【方法】1993年1月より2003年12月までの当科で分娩した先天性空腸回腸閉鎖14例を対象とし,手術所見と胎児超音波所見とを比較した.【結果】14例中,回腸閉鎖が7例,空腸閉鎖が7例であった.羊水過多を認めたのは5例であった.14例中で初回手術において人工肛門造設を必要とした症例は3例で,閉塞部位は回腸が2例,空腸が1例であった.回腸閉鎖であった2例の腸管径は拡張が著明で,ともに羊水過多を認めた.2例とも広範囲の腸管切除を必要としたため,人工肛門造設術が施行された.一方,空腸閉鎖の1例は腸管径も拡張が軽度であり,羊水過多もなかったが,開腹時,陳旧性の胎便性腹膜炎を認め,腸管癒着により一期的手術を施行することができなかった.今回の検討では短腸症候群が発症した症例はなかった.【考察】今回の検討では羊水過多は必ずしも空腸回腸閉鎖の手術成績と関連がなかった.著明な腸管拡張は,一期的手術が困難になることが多いことが示唆された.以上より先天性空腸回腸閉鎖管理において腸管径の変化,胎便性腹膜炎の所見を観察することにより,出生後の治療のための重要な情報を提供することができると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 211-211, 2004


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