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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
胎児・新生児2
予後不良であった胎便性腹膜炎の1症例


坂口 健一郎, 松田 秀雄, 芝崎 智子, 鈴木 嘉穂, 古谷 健一, 菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科


 <緒言>胎便性腹膜炎は硬くなった胎便による先天性の消化管狭窄が原因といわれており,小腸閉鎖,嚢胞性線維症,捻転,腸管陥入が主に関連し,発生頻度としては1/50000と報告されている比較的希な疾患である.今回突然の腹部膨満感,呼吸困難と呈し羊水過多,胎児腹水を認めた胎便性腹膜炎の1症例を経験したので考察も含めて報告する.<症例>30才,2経妊2経産.妊娠13週でトキソプラズマ抗体320倍,21週で1280倍となりアセチルスピラマイシン1200mg分2で3週間ほど内服.妊娠31週,母体呼吸困難と胎児腹水を認め,当科紹介となった.胎児腹水中に扁平上皮細胞を認め,胎便性腹膜炎と診断した.NST,超音波所見から小児外科と相談の上,保存的,待機的に経過を観察した.尚,胎児MRI,羊水,腹水中のウイルスDNA検索,cystic fibrosisの遺伝子検索は陰性だった.母体呼吸苦に対し羊水除去を施行した.妊娠35週よりLoss of variabilityを認め緊急帝王切開施行.2828g女児娩出.アプガースコア:6点/8点(1分/5分).胎盤810g,2臍帯動脈1臍帯静脈,石灰化や梗塞など明らかな異常所見を認めず.小児外科にて開腹手術予定であったが,肺高血圧出現し手術不能となり同日永眠す.解剖所見:回盲部より口側3.5cmの回腸に約1cmの縦走する穿孔あり.胎便性腸閉塞破裂と診断された.肺の未熟性が指摘された.<結論>胎便性腹膜炎の一例を経験した.術前肺高血圧の原因として長期に及ぶ胎児腹水による胎児胸部圧迫の影響が考えられ,今後,胎児腹水のコントロールを含めた適切な胎内治療の確立が期待されうる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 214-214, 2004


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