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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
胎児・新生児2
臍帯動脈に腫瘍塞栓をきたし救命し得なかった胎児白血病の一例


鈴木 嘉穂, 松田 秀雄, 芝崎 智子, 坂口 健一郎, 古谷 健一, 菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科


 羊水吸引除去後の胎児心拍の低下により緊急帝王切開となったが新生児死亡をきたした,白血病細胞の臍帯動脈塞栓の一例を経験した.(症例)36歳3妊1産.妊娠36週2日,妊婦健診にて羊水過多および胎児肝の腫脹を指摘され当院に搬送.入院時腹部超音波にて胎児の肝腫大を認め,AFIは25.5cmであった.胎児腎及び膀胱は同定できたが,胃は同定し得ず.同一水平断にて胎児の肝臓と膀胱を確認した.腹部膨満感が増悪傾向にあったため,超音波ガイド下に22G針にて羊水除去術施行.約1000ml除去後も,AFIは20cmであった.羊水除去後NSTにて胎児心拍数は130bpmでreassuring statusであった.1時間後,母体を仰臥位から側臥位に変換した際に胎児心拍を確認できなくなり,超音波施行.臍帯血流の拡張期途絶と胎児心拍数の高度な徐脈を認め,緊急帝王切開術となった.娩出時,児は全身が硬直し,体表面全体には多数の直径2cm大の結節性病変と高度な皮下出血が認められた.APGAR scoreは,1分後0点,5分後0点,8分後児心拍開始した.児の血液所見は,WBC 92.6×106/ml,Hb 2.5g/dl,Plt 225×106/ml,PT・APTTは180秒以上.蘇生術施行中肺出血出現し,心臓マッサージは中止した.児娩出後4時間22分に死亡確認.家族の同意のもと病理解剖が行われ,肺,肝臓,尿管やその他の臓器に皮膚と同様の結節性病変が認められた.胎盤病理所見は,多数の幼若な白血病細胞が臍帯動脈の周囲に浸潤し,臍帯付着部で臍動脈を塞栓している像が認められた.(結語)胎児白血病は稀であり,報告例ではダウン症合併例が多い.幼若な腫瘍細胞が胎盤血管を塞栓し,突然死を誘発した症例は極めて稀と思われる.文献的考察を含めて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 215-215, 2004


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