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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
子宮頚部悪性腫瘍1
子宮頚部hepatoid adenocarcinomaの一例


加藤 一喜, 林 泰雄, 大崎 達也, 田中 尚武
千葉県がんセンター婦人科


 Hepatoid adenocarcinomaは胎児期肝細胞あるいは肝細胞癌に類似する組織像を呈する腫瘍であり,alpha-fetoproteinを産生することを特徴としている.消化管・泌尿器・肺・卵巣などを原発にするものの報告を散見することは出来るが,子宮原発のhepatoid adenocarcinomaは稀である.今回,われわれは子宮頚部のhepatoid adenocarcinomaを経験したので報告する.症例は65歳,2回経妊2回経産.心血管疾患の既往あり.1年以上続く不正性器出血を主訴として2003年1月近医受診し当科紹介受診.子宮頚部に隆起性腫瘍を認め,生検にて腺癌と診断された.術前腫瘍マーカーはAFP 105ng/mlと高値を示したが,他は正常値であった.子宮頚部腺癌Ib1期の診断にて,準広汎子宮全摘出術を施行した.摘出標本では肉眼上,子宮頚部に3x2.5cm大の腫瘍を認め,組織学的には肝様成分からなる充実性組織を主体とし類内膜腺癌成分も伴っていた.癌は子宮頚部に限局し,子宮体部や膣への進展や,両側付属器への転移は認められなかった.免疫組織学的検査にてAFPが陽性であった.以上より子宮頚部のhepatoid adenocarcinomaと診断された.術後AFP値が低下するも,2003年8月360ng/ml,2004年1月6768ng/mlと急上昇した.骨盤CTスキャンにて両側の骨盤リンパ節転移を認めたため,これに対してX線照射(計54Gy)を施行した.照射後AFP値は16ng/mlと正常化した.今後,化学療法を追加する予定である.子宮原発のhepatoid adenocarcinomaについて文献的考察を加え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 238-238, 2004


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