関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
子宮頚部悪性腫瘍1
腎移植を契機として急速に発症・進行した子宮頸癌の一例


高橋 佳子1), 沖 明典1), 北 直喜1), 岩下 寛子1), 八木 洋也1), 小畠 真奈1), 高野 克己2), 佐藤 奈加子1), 佐藤 豊実1), 角田 肇1), 吉川 裕之1)
筑波大学臨床医学系産婦人科1), つくばセントラル病院産婦人科2)


 近年,臓器移植症例の増加に伴い移植後の悪性腫瘍発生の危険性が高いことが明らかになってきた.今回我々は腎移植前に施行した子宮頸部細胞診で異常なしと判定されながら移植後半年で急速に発症・進行した子宮頸癌Ib2期の1例を経験したので報告する.症例は29歳の未経妊婦.既往歴は,9歳時に膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)と診断され免疫抑制療法及び血液透析を導入,2003年1月生体腎移植施行し,術後タクロリムス,ミコフェノール酸モヘチル,プレドニゾロンによる免疫抑制で腎機能は安定していた.移植直前の頚部スメアはclass IIであったが移植半年後,不正出血を主訴に当科受診.子宮頚部にbulky tumorを認め,頸部スメアclass V,生検では浸潤性扁平上皮癌であった.内診にて子宮頸癌Ib2期と診断されMRIでも長径42mmであり,広汎子宮全摘術を施行.移植腎を腸骨窩に留置する腸骨窩異所性腎移植であったため,右骨盤リンパ節郭清に難渋した.病理結果は扁平上皮癌で,両側基靭帯浸潤,左内腸骨リンパ節転移により,pT2bN1M0であった.Radiationの移植腎に対する影響を考慮し,後療法にTJ療法(パクリタキセル+カルボプラチン)を選択し,4コース終了施行した.現在再発徴候なく外来中である.自己免疫性疾患患者に悪性腫瘍の頻度が高いことは周知の事実であるが,腎移植症例においても移植前よりiatrogenicな免疫抑制状態が持続していることから悪性腫瘍発生の頻度が高いことが報告されている.当院では全例婦人科検診を受診してから移植を施行しているが,本症例では移植後約半年で浸潤癌にまで進行していることから,移植後のより慎重な経過観察を行うことが必要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 240-240, 2004


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会