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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
子宮頚部悪性腫瘍2 リンパ節転移陽性の子宮頸癌に対するネオアジュバント動注化学療法の効果
近藤 さおり, 伊東 和子, 大瀬 かおり, 村中 愛, 堀内 晶子, 加藤 清, 塩沢 丹里, 小西 郁生
信州大学産婦人科
近年,進行子宮頸癌に対してネオアジュバント化学療法を行い,腫瘍を縮小させ,手術療法の根治性を高める可能性が期待されているが,腫瘍が化学療法抵抗性の場合は主治療の開始が遅れる可能性もあり,早期の評価が必要である.今回,リンパ節転移病巣に対する化学療法の効果を検討した.当科では子宮頸癌に対して1999年よりcisplatin,adriamycin,mitomycin C,5-FU(PAM-5)による術前動注化学療法を導入し,これを2コース施行した後,広汎子宮全摘術を行い,リンパ節転移陽性例にPAM-5静注療法を追加している.PAM-5による縮小効果はMRI計測にてCR 6例,PR 22例,NC 1例であった.最近,径5〜12cmの骨盤内リンパ節転移を認める症例を3例経験した.いずれも組織型は扁平上皮癌であり,2例はMRI画像上転移巣内部に造影効果が乏しく,壊死に陥っているものと判断された.動注療法により,原発巣については3例とも6〜70%の縮小を認めたが,リンパ節については不変か増大を認めた.また,2例は手術に至らず治療開始から2〜6カ月で死亡している.一方,骨盤内リンパ節転移に対して動注療法が有効であった症例もあり,今回両者を比較検討した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
241-241, 2004
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