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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍/肉腫 子宮腺筋症より発生したと考えられる子宮内膜癌の1例
和田 久恵, 大井 豪一, 沼野 由記, 加賀 俊章, 小林 友季子, 水主川 純, 田中 晶, 谷口 千津子, 茂庭 將彦, 小林 浩, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科
閉経後に大量の性器出血をきたし,術前診断に苦慮した子宮内膜癌の1例を経験したので報告する.症例は52歳,3経妊0経産,初経15歳,閉経50歳.既往歴として42歳時に子宮筋腫と診断され,GnRHアナログ療法が行われている.今回,4月17日より不正性器出血あり,出血量の増大を自覚したため,4月26日近医受診.同日精査および治療目的にて当院受診となる.初診時,子宮は超手拳大,外子宮口より持続的な出血を認め,血液検査によりHb7.1g/dlと正球性正色素性貧血を認めたため,同日入院となる.入院後,子宮内膜組織診では悪性細胞を認めず,CA125などの腫瘍マーカーも陰性であった.CTおよびMRIによる画像診断では子宮底部右側に腫瘤が指摘され,子宮内腔に血液の貯留が認められた.そこで出血のコントロールおよび貧血の改善のための治療が行われた.6月2日開腹術を施行.腫瘍は子宮漿膜を破り,虫垂と回腸に癒着浸潤していた.そこで単純子宮全摘+両側付属器摘出+虫垂切除+骨盤内リンパ節生検を実施した.肉眼的には腫瘍と子宮内膜の間に連続性は認めなかった.術後の病理診断で類内膜腺癌,G1,子宮体癌3a期と診断された.組織学的にも子宮内膜は萎縮しており,腫瘍との連続性がないことより子宮腺筋症組織より発生した子宮内膜癌と考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
243-243, 2004
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