|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍2 化学療法中のCA125値の減衰率は予後因子となり得る
楯 浩行, 児島 梨絵子, 山口 隆, 三島 みさ子, 山城 千珠, 古屋 智, 神山 洋, 横尾 郁子, 伊豆田 誠人, 加藤 賢朗
虎の門病院産婦人科
【目的】進行卵巣癌(卵管癌,腹膜癌を含む)のCA125値の減衰率が予後因子となり得るかを後方視的に検討した.【対象】1993年から2001年までに組織学的に漿液性腺癌が確認された卵巣癌で手術によりpT3期症例と確認された症例もしくは術前画像診断より切除不能のため術前化学療法(NAC)をした症例.手術前またはNAC前から正常値に至るまでのCA125値の対数値の回帰係数を算出した.治療中にCA125値が持続して上昇した場合は上昇する前の値までとした.回帰係数が−0.04以上の症例をResponder症例(20症例)とし−0.04未満の症例をNo-Responder症例(13症例)とした.End pointは36カ月後の生存の有無とした.統計はKaplan-Meiser法,log rank法を用いた.【結果】1.対象症例の年齢は中央値53.5(30―75)才で,解析時の経過観察期間の中央値は40.4(4―129)カ月であった.34症例全体での36カ月後の生存率は66.0%であった.2.症例の背景:卵巣癌31例,卵管癌1例,腹膜癌2例.初回手術にてoptimal(残存2cm以下)になった症例は18症例,suboptimalの症例は16例であった.3.Responder群,No-Responder群での3年生存率はそれぞれ80.0%,38.5%であった(p=0.01).4.optimal群とsuboptimal群での3年生存率はそれぞれ70.6%,60.9%であった(p=0.44).【結論】CA125値の減衰率は予後因子となり得る.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
253-253, 2004
|