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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍3
カルボプラチンアナフィラキシーショックの2症例


山中 智哉, 椎橋 文子, 三浦 紫保, 忠内 薫, 大鷹 美子, 榊原 賢一郎, 安水 洸彦
NTT東日本関東病院産婦人科


 白金製剤使用例には時にアナフィラキシーショックが生じることが報告されている.前回の本学会でも報告があったが,当院でもカルボプラチンアナフィラキシーショックの2症例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例1:卵巣癌(明細胞癌)IIc例で,2001年10月根治手術(至適切除)後に再発.Bi-weekly TJ療法(計20回)にて寛解できたが,本年4月腫瘍マーカー上昇のため再度bi-weekly TJ療法を開始した.5月31日,3コース目のカルボプラチン投与数分後に急速な血圧低下,意識消失,両下肢の痙攣が生じた.30分ほどで症状の改善傾向を認め,諸検査で明らかな異常を認めなかったため脳外科医により起立性低血圧による一過性脳虚血発作の疑いと診断された.6月11日,4コース目には医師監視のもとにカルボプラチンの投与を行ったが,注入開始数分後に血圧低下,呼吸苦,体熱感を生じたため,ステロイド,利尿剤等を投与し30分ほどで症状は改善した.症例2:子宮頚癌に対し2003年3月〜6月に化学放射線療法を施行した.その後多発性肝・肺転移が出現したため,2004年5月よりbi-weekly TJ療法を開始した.6月11日,3コース目のカルボプラチンの投与数分後に血圧低下,呼吸苦,胸内苦悶を認めた.投与を中止し,20分ほどで症状は改善した.両症例ともに現在タキソール単剤での化学療法を継続中である.この両症例より,数回のカルボプラチンの投与を行った症例についても,その後常にアナフィラキシーショックをおこす可能性があることを考慮する必要性があるといえる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 256-256, 2004


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