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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍3 診断に苦慮した骨盤内の小腸原発GISTの2症例
宇野 雅哉, 杉林 里佳, 山本 由紀, 藤原 礼, 古澤 嘉明, 大塚 伊佐夫, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田総合病院産婦人科
gastrointestinal strumal tumor(GIST)は,消化管の間葉系腫瘍である.その発症数は10〜20人/100万人・年といわれている.その約50〜60%が胃原発,約20〜30%が小腸原発,約10%が大腸原発とされている.今回,私たちは診断に苦慮した骨盤内の小腸原発GISTの2症例を経験したので報告する.骨盤内腫瘍で画像診断等では原発臓器の判然としない場合,頻度は少ないと考えられるがGISTなどの他科疾患も念頭に鑑別をする必要があると考えられた.また,手術などの治療においては関係各科との連携が必要と考えられた.【症例1】53歳2回経産.集団検診にて子宮頸管ポリープを指摘されて来院した.術前の画像診断では約5cmの造影効果を認める充実性腫瘍を子宮腹側に認め,腫瘍マーカーはCA72-4のみ軽度上昇していた.卵巣腫瘍を疑い開腹手術を行ったが,小腸原発のGISTであり,小腸部分切除を行った.経過観察中であるが,現在のところ再発の所見はない.【症例2】62歳4回経産.3回の腹部手術の既往があった.下腹痛のため当院受診し,画像診断では子宮右側に内部不均一な約6cm大で造影効果を認める腫瘤を認め,同部位に圧痛があり血液検査にて炎症所見を認めた.付属器膿瘍として抗生剤にて加療した.しかし,抗生剤治療では再発を繰り返すため外科的な切除の適応と考え開腹手術を行った.開腹所見では,小腸原発GISTが右卵巣に接して発育していた.小腸部分切除,腹式単純子宮全摘術,両側付属器切除術を行った.メシル酸イマシニブ内服加療中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
257-257, 2004
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