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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍4 卵巣原発移行上皮癌の3例
佐藤 英貴, 木村 正博, 大沢 洋之, 三木 明徳, 岡垣 竜吾, 小川 博和, 小林 浩一, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科
卵巣原発移行上皮癌は,移行上皮癌の成分を持ち,かつBrennner腫瘍成分を持たない卵巣悪性腫瘍と定義されている.本疾患は全卵巣悪性腫瘍の1%程度と比較的稀な疾患であり,病理学的背景や治療についての報告は少ないが,CA125の高値を認める場合が多いことや化学療法への反応性が良好であること,late recurrence例が比較的多く報告されているなどの特徴がある.当科では本疾患に罹患した3例を経験したので,この治療経過について報告する. 第1例は初回治療時72才,pT3cNxM1,Stage IV.胸水・腹水を認め,不完全手術を行った後CAP療法を行い寛解したが,初回治療3年6ヵ月後に再発.腫瘍切除術を行った後再びCAP療法行うも全身状態悪化のため緩和治療に移行し,初回治療後5年3ヶ月で永眠となった. 第2例は初回治療時50才,pT3cNxM0,Stage IIIc.根治術施行後CAP6コース行い,以降3ヶ月毎のcyclic CAP療法に移行したが初回治療後1年10ヶ月で膣断端に再発.腫瘍切除術施行し,TJ3コース施行した.しかしCA125の上昇および腹水貯留を認め再度TJ療法を施行中.(初回治療後3年3ヶ月担癌生存中) 第3例は初回治療時50才,pT1cN0M0,Stage Ic.初回治療にてLSO行ったが悪性所見みられたためDJ4コース施行後,根治術施行しリンパ行性転移および右卵巣転移なく,さらにDJ2コース追加後外来フォローされている.(初回治療後2年10ヶ月画像上無再発生存中)
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
259-259, 2004
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