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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
妊娠分娩1
妊娠中に深部静脈血栓症を発症し,興味ある経過を追った2症例の検討


吉井 明日香, 松田 義雄, 川道 弥生, 牧野 康男, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 妊娠中の深部静脈血栓塞栓症(以下DVT)は近年増加傾向にあり,母体死亡の主因の一つとして注目されている.その予防にあたっては,初発症状に対する早期治療が重要と思われる.今回,われわれは妊娠中に発見されたDVTが重篤化せずに妊娠分娩を完結できた症例を経験したので報告する.症例1)31歳,2経妊1経産.妊娠11週に左下肢の腫脹と疼痛が出現し,近医を受診したところ,DVTと診断され当院へ紹介受診となった.ヘパリン持続点滴により症状は軽快し,エコー上も血栓は消失した.以後ヘパリン投与を続行し妊娠37週に自然陣痛が発来したため,ヘパリンを中止したところ,6時間後に経腟分娩に至った.症例2)35歳,1経妊1経産.糖尿病合併のためインスリンが投与されていた.妊娠24週に右下肢の疼痛が出現し,当院を受診しDVTと診断された.入院の上直ちにヘパリン投与を開始し,症状は軽快.エコー上も血栓は消失したが,切迫早産が併発し,硫酸マグネシウムを中心とした子宮収縮抑制剤を投与した.前回帝王切開の既往があったが,帝王切開によるさらなる血栓のリスクを考慮したことと,また子宮口の開大を認めていたため経腟分娩をトライした.陣痛発来以後ヘパリンを中止し,中止後6時間で経腟分娩に至った.2症例とも産後はワーファリンへと変更し,DVTの再発を認めることなく経過している.DVTは一般的には帝王切開後や産褥期に多く発症するが,妊娠中においても妊娠悪阻による極端な脱水状態や糖尿病などリスクを伴う症例に下肢痛が出現した場合には,本疾患を念頭に入れた早期介入が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 260-260, 2004


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