|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
妊娠分娩2 妊娠経過とともに腸閉塞症状を呈し,27週5日にterminationを余儀なくされた症例
里野 美佳, 小林 織恵, 佐藤 大悟, 関口 将軌, 栗原 聡美, 仁平 光彦, 八重樫 優子, 小林 康祐, 宇田川 秀雄
国保旭中央病院産婦人科
【初めに】子宮増大に伴い腸閉塞症状を呈することはまれに見られる.今回我々は子宮・腸管の癒着による腸閉塞が子宮増大により悪化し,27週でterminationを余儀なくされた症例を経験したので報告する.【症例】33歳,0経妊0経産.【既往歴】29歳時に卵巣出血で手術歴あり.そのとき,Douglas窩の癒着が高度.子宮,直腸,両側卵巣が一塊となっていたとの所見あり.【現病歴】24週5日 腹痛あり救急受診.腹部圧痛,緊満感著明,排ガス,排便なし.子宮収縮頻回に認め,原因不明の急性腹症,切迫早産として産婦人科入院となった.【入院後経過】臨床症状,レントゲン,エコー所見より腸閉塞と考え,絶飲食,補液,塩酸リトドリンの投与にて治療開始した.その後も症状改善見られず,外科的介入も考えたが,週数も考慮し保存的治療を継続した.しかし腹痛の増強と,コントロール不良の子宮収縮認め,27週5日terminationとした.全身麻酔下で開腹術を施行.児はAp 2/5,1136g.子宮修復終了後外科により,癒着剥離を行った.腹腔内は癒着高度で下行結腸からS状結腸の移行部で腸管がねじれて左腹壁に癒着,S状結腸は子宮裏側の底部付近までつりあがる形で癒着.子宮増大に伴ってS状結腸部で緊張がかかり,更に下行結腸がねじれていた事で通過障害が起こったと考えられた.【考察】子宮増大によって増悪する腸閉塞の症例を経験した.週数との関係で外科的介入,terminationをいつ頃行えばよいか苦慮したので,若干の文献的考察を加え発表する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
265-265, 2004
|