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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
妊娠分娩3 本態性血小板血症合併妊娠の1例
北 直喜1), 渡辺 倫子2), 竹島 絹子2), 中尾 砂理1), 比嘉 佐和子1), 宗田 聡1), 石渡 勇3)
水戸済生会総合病院産婦人科1), 筑波大学産婦人科2), 石渡産婦人科病院3)
本態性血小板血症は慢性骨髄増殖性疾患で好発年齢は50〜70歳とされ,生殖年齢期に合併することはまれである.今回我々は,妊娠後期に血小板の増加を指摘され,本態性血小板血症と診断し分娩後治療を行った症例を経験したので報告する.症例は,29歳,1経妊1経産.前回CPDにて予定帝切された時には異常を認めなかった.妊娠初期より近医を受診し問題なく経過していた.妊娠36週に前医での術前検査にてPLT 120.1万/mlと高値のため当院紹介となり,精査,分娩管理目的にて入院となった.入院後も血小板は徐々に増加し,炎症や急性出血等の他の原因の可能性が低く,血液内科とも相談し,分娩後加療の方針にて,妊娠38週4日帝王切開分娩となった.産褥2日目,PLT 231.1万/mlまで増加.骨髄穿刺を行い,bcr/abl再構成がないことや巨核球の著明な増多を認めたため本態性血小板血症と確定診断した.血栓症状は認めなかった.血小板減少の目的にてHydroxyurea 1500mg/day内服で治療開始するも低下不良のため,Hydroxyurea 2000mg/day+IFN-α治療に変更し血小板低下を認めた.産褥19日目PLT 93.4万/mlで退院となり,現在,外来にてPLT 41万/mlで管理中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
267-267, 2004
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