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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
妊娠分娩4 妊娠中にlymphangiomatosisが疑われる巨大脾腫を合併した一例
西林 学1), 大沢 洋之1), 三木 明徳1), 岡垣 竜吾1), 小川 博和1), 小林 浩一1), 石原 理1), 伊藤 善啓2), 持田 智3), 小山 勇4), 佃 俊二5)
埼玉医科大学産婦人科1), 埼玉医科大学血液内科2), 埼玉医科大学消化器肝臓内科3), 埼玉医科大学消化器一般外科(I)4), 埼玉医科大学放射線科5)
Lymphangiomatosis(リンパ管腫症)とは,lymphangioma(リンパ管腫)が一臓器あるいは多臓器に多発するまれな病変であり,多くは,小児期に発見される.今回我々は,妊娠中に巨大腹部腫瘍として発見され,画像診断上,脾臓のlymphangiomatosisを強く疑う症例を経験したので,若干の文献的考察を交えて報告する.症例は22歳,0回経妊0回経産.近医にて妊婦健診を受けていたが,妊娠17週に血小板数の減少を認め,特発性血小板減少性紫斑病が疑われたため,当科を紹介受診した.妊娠20週に腹部超音波検査を施行したところ,上腹部にcystic partを含むsolidな巨大な腫瘤を認めた.腫瘤はほぼ腹部全体を占め,子宮を圧迫していた.さらなる精査目的にてMRI検査を施行したところ,脾臓内にT1強調にてlow,T2強調にてhigh intensityを呈する大小のmultilocular massが多発しており,形態およびintensity patternから,cystic lymphangiomatosisが疑われた.現在(2004.7.1),妊娠29週であるが,腫瘤が子宮を圧迫することによる切迫早産徴候や,胎児の発育異常は認めていない.今後は,血液内科,消化器内科,消化器外科等と連携して診療を行い,分娩後は外科的治療を行う予定である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
269-269, 2004
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