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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
妊娠分娩5 CSE(combined spinal epidural analgesia)による分娩時麻酔
菊地 信三1), 奥富 俊之2), 斉藤 美和子2), 鴨下 詠美1), 池田 泰裕1), 金井 雄二1), 望月 純子1), 右島 富士男1), 谷 昭博1), 天野 完1)
北里大学産婦人科1), 北里大学麻酔科2)
CSEは除痛効果が速やかに得られ,運動神経ブロックが軽微で,分娩時間が短縮するなどのメリットから,分娩時麻酔法の第一選択とする施設が欧米では増加している.我々の施設の最近3年間の経腟分娩2765例中硬膜外麻酔が1530例,55%,CSEが367例,13%である.CSEと硬膜外持続投与法(EDB)が分娩予後におよぼす影響に関して比較検討した.対象は,選択的分娩誘発を行ったCSE群100例,EDB群100例である.いずれも合併症のない妊娠正期の正常例で両群の臨床背景に差は見られない.CSEは脊硬麻針で,ブピバカイン2.5mg,フェンタニル25μg投与し,30分後より硬膜外持続投与(0.1%ロピバカイン+フェンタニル2μg/ml)を10ml/hで行った.EDB群は0.2%ロピバカイン8mlでTh10以下のレベルを得た後,0.1%ロピバカイン+フェンタニル2μg/mlの持続投与(10ml/h)を行った.分娩第1期時間,2期時間,誘発―分娩時間はいずれも両群で差は見られなかった.(EDBvsCSE:380±257vs336±158,87±109vs104±95,346±182vs362±165分).Nonreassuring fetal statusによる帝切例の頻度はEDB群で1例みられたが両群で差はみられず,鉗子,吸引分娩の頻度も30%,34%と差はみられなかった.新生児予後に関しても低アプガスコアの頻度,臍帯動脈血pHに差はみられなかった(7.30±0.05vs7.29±0.05).CSEによる分娩時麻酔の効果は少なくとも,分娩予後に関してはEDB群と有意な差はみられなかった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
272-272, 2004
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