|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
妊娠分娩5 帝王切開術後Pulse Oxymeter装着の有用性に関する検討
小野 義久, 村山 敬彦, 岩田 睦, 木下 二宣, 高井 泰, 斎藤 正博, 林 直樹, 馬場 一憲, 竹田 省
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
【目的】帝王切開術後の重篤な合併症として,肺血栓塞栓症や肺水腫,異常出血による循環虚脱といった病態が挙げられる.これらの初期症状を見過ごすと,母体死亡をはじめとする重大な事態に至る危険性が高い.術後管理におけるPulse Oxymetryの有用性について検討した.【対象と方法】2001年から2002年の2年間に院内総分娩1669例のうち656例(39.3%)が帝王切開分娩となった.帝王切開分娩全例に術前よりPulse Oxymeterを装着し,術後のSpO2が95%以下となった症例についてその背景となる病態を分析した.【結果】術後95%以下となった症例は149例(22.7%)であった.術後SpO2が95%以下に低下した症例で,背景となる病態が明らかになった.95例の内訳は主に,肺水腫67例(45%),入眠37例(25%),疼痛12例(8.1%),肺血栓塞栓症8例(1.2%),塩酸モルヒネによる呼吸抑制14例(9%),麦角アルカロイド静注後2例(1.3%),肥満2例(0.6%)であった.このうち肺水腫については,深呼吸誘導でSpO2は改善せず,O2投与により改善した.肺血栓塞栓症については,呼吸の安定した状態で,SpO2が95%以下に低下したり改善したりと変動を示した.【考察】術後Pulse Oxymeterを装着し,肺の酸素化と脈拍をモニターすることは,術後の重篤な合併症の早期発見に有用であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
273-273, 2004
|