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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
妊娠分娩7/産褥1 当院における分娩時体重100kg以上妊婦の分娩予後
川村 久惠, 上里 忠和, 江成 太志, 中川 圭介, 山藤 晶子, 大岡 史子, 五十嵐 敏雄, 梁 善光
帝京大学附属市原病院産婦人科
【目的】近年食習慣及び生活習慣の変化に伴い肥満妊婦が増加傾向にあり,ハイリスク群として妊娠分娩管理が必要となる.今回我々は当院にて経験した体重100kg以上の肥満妊婦の分娩経過に注目し,体重100kg未満の妊婦と後方視的に比較し,帝王切開率とその要因,分娩方針の決定に重要な因子を検討した.【対象と方法】1986年5月から2004年5月までの18年間で100kg以上妊婦は19例であった.そのうちの経腟分娩を試行した初産婦13例を100kg以上・初産婦・分娩停止による帝王切開群(A群),100kg以上・初産婦・経腟分娩群(B群)の2群に分けた.また,2002年1月から2004年5月までの2年4ヶ月間に当院で分娩となった100kg未満初産婦249例を100kg未満・初産婦・分娩停止による帝王切開群(C群),100kg未満・初産婦・経腟分娩群(D群)に分けて母体BMI,分娩時間,児体重について比較検討した.【結果】C,D群では分娩停止による帝王切開率は4.5%であったのに対しA,B群では42%と高い確率であった.A,B群間の平均児体重はA群3625g±188g,B群3146g±364gであり2群間に有意差を認めた(p<0.05).経腟分娩成功例における分娩時間はB群591±193分,D群575±394分であり有意差は認めなかった.【結論】100kg以上の肥満妊婦の経腟分娩試行例における帝王切開の適応は分娩停止が最も多く,その要因として児体重が重要である可能性が示唆された.分娩時間が10時間以上遷延し進行がみられない症例では分娩方針の見直しが必要と考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
277-277, 2004
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