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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
妊娠分娩7/産褥1 当科における腎疾患合併妊娠の検討
高橋 慎治, 小泉 るい, 松下 良伯, 武隈 宗孝, 松井 浩之, 芹沢 麻里子, 山下 美和, 岡田 善親, 前田 真, 佐倉 東武
県西部浜松医療センター産婦人科
腎疾患の管理・治療法は進歩し,最近では妊娠・出産する女性も増加している.一方,腎疾患合併妊娠は,妊娠中毒症(19〜30%),子宮内胎児死亡(16〜20%),分娩後の腎機能低下(3〜5%)などを引き起こすとされている.今回我々は,妊娠後期に腎機能が低下し,産褥DICを併発したIgA腎症合併例を経験したので,過去10年間の当科における腎疾患合併妊娠の検討も加えて報告する.症例は,35歳,未産婦.15歳時からIgA腎症として腎クリニックにて管理され,20歳頃から高血圧併発し内服治療を受けている.今回,分娩予定日7月20日として妊娠し,前医より紹介受診.妊娠経過は児発育を含め順調であったが,妊娠30週から蛋白尿が出現し,増悪傾向認めたため,6月17日(妊娠35週2日)管理入院となった.入院後から血清クレアチニン値上昇,腎機能低下を認めたため6月25日(妊娠36週3日)帝王切開,2540gの男児を娩出した.術後弛緩出血によるDICも併発したが,各種治療により回復し,術後12日目母子ともに元気に退院した.また,当科における10年間の総分娩件数7443例のうち腎疾患合併妊娠症例は21例(0.28%)で平均年齢31歳(26〜37歳),平均在胎週数37週(32週〜41週),帝王切開率38%(8例)であった.これらについて,妊娠出産による影響,腎生検時期,周産期成績などの検討も加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
278-278, 2004
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