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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
妊娠分娩7/産褥1 反復発症した産褥期子宮内反症の1例
保倉 宏, 渡辺 博, 池田 綾子, 岡崎 友紀, 庄田 亜紀子, 岡崎 隆行, 多田 和美, 亀森 哲, 西川 正能, 田所 望, 稲葉 憲之
獨協医科大学産婦人科
【緒言】産褥期子宮内反症は,分娩2,000〜20,000件に1例の頻度で発生する稀な疾患であるが,激しい疼痛と大量出血を伴い,対応が遅れればショック,DICを来たし母体死亡となる危険性の高い疾患である.今回われわれは,反復発症した産褥期子宮内反症の1例を経験したので報告する.【症例】30歳,1妊1産,他院にて前回分娩後に子宮内反症を起こし,開腹(Huntington手術および体部縫縮術)にて,整復している.今回は,初期より当院ハイリスク妊婦外来に通院しており,妊娠経過に特に問題はなかった.妊娠38週6日自然陣発にて入院し,3248g男児Ap9を経膣正常分娩した.児娩出後約15分経過しても胎盤剥離兆候が見られず,細心の注意のもと胎盤用手剥離を行ったにもかかわらず完全子宮内反症を発症した.直ちに,非観血的用手整復術を行い整復することができた.胎盤は癒着胎盤であり一部遺残を認めた.分娩時からの出血は,計1,830mlでHb4.6g/dlまで低下したが鉄剤の投与のみで対応し,産褥11日目に退院となった.【結語】産褥期子宮内反症は,次回出産時にも再発するリスクが高いといわれている.今回子宮内反症を十分念頭において対応したにもかかわらず再発したことは,必ずしも臍帯の牽引等の外力だけが発症の原因ではないことを示唆する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
279-279, 2004
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