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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
胎児新生児1 臍帯潰瘍を伴った十二指腸閉鎖の一症例
岡崎 友紀, 保倉 宏, 池田 綾子, 岡崎 隆行, 庄田 亜紀子, 多田 和美, 西川 正能, 大島 教子, 田所 望, 渡辺 博, 稲葉 憲之
獨協医科大学産婦人科
胎児腸管閉鎖症の発生頻度は1/5,000であり,稀に臍帯潰瘍を合併することがある.臍帯潰瘍による出血が認められた場合,IUFDに至ることもある重篤な合併症である.今回われわれは十二指腸閉鎖に臍帯潰瘍を合併し,子宮内出血を生じたにもかかわらず生児を得た症例を経験したので報告する.症例は28歳,1経妊0経産,既往歴,家族歴とも特記事項なし.前医にて妊婦健診施行されていたが31週5日,胎児十二指腸閉鎖,羊水過多のため周産期管理目的に母体搬送となる.Double bubble signを認め,AFI30.3と羊水過多のため搬送同日,羊水穿刺施行したところ血性羊水であった.塩酸リトドリン,硫酸マグネシウムによりtocolysis施行するも,翌日陣発し,胎児心拍モニタリングにて厳重管理のもと,31週6日,1320g(LFD-276g),男児,Apgar score8/9(1分/5分値)点にて経膣分娩となる.児はNICUに収容されたが,Hb26.0%と貧血は認めなかった.日齢4日目に十二指腸閉鎖の手術を施行後,現在NICU入院中である.児は21trisomyであった.臍帯の胎盤側の血管表面が露出しており,臍帯潰瘍による胎児血液の漏出が血性羊水の原因であったと考えられた.尚,羊水中Ht1.1%,HbF73.3%,総胆汁酸9.0であった.文献的考察を加え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
283-283, 2004
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