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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
胎児新生児1 胎内診断した先天性嚢胞状腺腫様肺奇形の画像検査所見ならびに臨床経過の検討
松本 直, 服部 純尚, 峰岸 一宏, 石本 人士, 田中 守, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶応義塾大学産婦人科
【目的】先天性嚢胞状腺腫様肺奇形(以下CCAM)の胎児画像検査所見,臨床経過および周産期予後について後方視的に検討することを目的とした.【対象・方法】当院ハイリスク胎児外来にてCCAMと診断した10症例(2症例は現在経過観察中)について,胎児超音波およびMRI所見,臨床経過,胎児水腫発症の有無,周産期予後について検討した.【結果】超音波およびMRI所見では10症例中type1(macrocystic)は0例,type2(macrocystic with a microcystic component)が8例,type3(microcystic)が2例であった.また,腫瘤は10症例中7例が左肺に発症し,3例が右肺に発症した.臨床経過としては10症例中3例に腫瘤の増大を認めたが,いずれも左側であった.この3症例中1例は21wで患者の希望によりterminarionとなり,残りの2例は縦隔の偏位および胎児水腫の発症を認め,周産期予後は不良であった.腫瘤の増大傾向を認めなかった5症例(2症例は経過観察中)において4症例に腫瘤の縮小が認められ,また5症例いずれも周産期予後は良好であった.【結語】腫瘤の増大ならびに縦隔の偏位を認めたCCAM症例においては,胎児水腫が発症し周産期予後は不良であった.今後は腫瘤の増大および胎児水腫が発症した症例に対しては,積極的に胎児治療を行っていくべきであると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
284-284, 2004
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