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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
卵巣良性腫瘍
術後人工呼吸器管理を必要とした巨大卵巣腫瘍の1例


中村 学, 久保 祐子, 斉藤 麻紀, 宮本 純孝, 富田 初男, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科


 巨大卵巣腫瘍は,術中・術後に循環器・呼吸器合併症をきたし,重篤な経過をたどることがある.今回われわれは,術後長期の人工呼吸器管理を要した巨大卵巣腫瘍を経験したので報告する.症例は51歳,3G3Pの閉経後女性.4年前より腹部膨満を自覚していたが放置していた.平成16年5月下旬より身動きがとれない状態が続いていたが,6月6日,全く動けなくなり,救急車要請.当院救急外来に受診した.受診時,腹部の膨満著明であり,顔面・四肢末梢にチアノーゼを認めた.血圧170/65,心拍数127,体温38.8度,SpO281%(O210L投与下).病歴聴取中に不穏状態.血圧も収縮期80台とショック状態になった.救急医学科医師により挿管.超音波検査では剣上突起下まで及ぶ巨大な単房性の嚢胞性腫瘍を認めた.胸部X線検査では,腫瘍により横隔膜は挙上していた.救急医学科医師と相談の上,腫瘍摘出せずには十分な換気が得られないと判断し,緊急手術とした.手術は左卵巣より発生した腫瘍であり,まず腫瘍内容をゆっくりと吸引.内容は黒褐色の液体で44.75Lに及んだ.腫瘍縮小後,両側附属器切除施行.腫瘍本体の重量は6kgであった.術中腫瘍内容が腹腔内に漏れた.術中の血圧に大きな変動は見られなかった.術後も挿管のままICUにて管理.翌日に一度抜管するも,十分な換気が得られないため再挿管.人工呼吸器管理を続け,術後8日目にようやく抜管できた.病理検査では粘液性嚢胞性癌と診断.現在化学療法施行中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 295-295, 2004


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