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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
絨毛性疾患/その他
肺転移を伴う絨毛性疾患2例の検討


山本 由紀, 杉林 里佳, 宇野 雅哉, 藤原 礼, 古澤 嘉明, 鈴木 真, 大塚 伊佐夫, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田総合病院産婦人科


 絨毛性疾患はすべての癌のなかで最も抗癌剤の治療が奏効するもののひとつであり,100%近い奏効率が得られている.当院にてMEA療法(Methotrexate,Actinomycin-D,Etoposide)が奏功した肺転移を伴う絨毛性疾患を2例経験した.症例1:35歳,1妊1産,胞状奇胎の疑いにて当院を紹介受診した.奇胎掻爬後に尿中hCGの再上昇,不正出血,基礎体温高温持続を認めたため,再掻爬を施行した.絨毛成分は認めず,MRIにても骨盤内病変は明らかではなかったが,胸部CTにて両肺野に多発性の小結節陰影を認めた.臨床的絨毛癌スコア4点であり,臨床的に転移性奇胎(WHO分類:middle risk)と診断した.MEA療法を5クール施行後,hCGは感度以下で細胞効果も認めなくなり,さらに3クール追加した.肺病変も消失し3ヶ月を経過して再発を認めていない.症例2:23歳,2妊0産(2度の稽留流産),胞状奇胎の疑いにて当院を紹介受診した.奇胎掻爬を施行し,6週間後基礎体温が2相性であることを確認したが,2ヵ月後再び胞状奇胎の疑いにて当院を紹介受診した.奇胎掻爬を施行し全胞状奇胎と診断した.その1ヶ月後に再度尿中hCGの上昇を認め,胸部CTを施行したところ両肺野に多発性の小結節陰影を認めた.臨床的絨毛癌スコア7点より臨床的絨毛癌,肺転移(low risk)と診断した.MEA療法3クール施行後,hCGは感度以下で細胞効果も認めなくなった.その後追加で2クール行ったが肺病変は胸部CT上一部残存したため,胸腔鏡下肺部分切除施行した.切除病変の病理所見にて生存癌細胞は認めなかった.MEA療法終了後15ヶ月を経過し再発は認めていない


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 301-301, 2004


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