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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
その他の腫瘍 腹膜播種性平滑筋腫症(Disseminated Peritoneal Leiomyomatosis)の1例
安藤 昌守, 堀中 奈奈, 杉山 紀子, 濱田 佳伸, 友部 勝実, 矢追 正幸, 堀中 俊孝, 榎本 英夫, 林 雅敏, 大藏 健義
獨協医科大学越谷病院産婦人科
子宮筋腫は,我々産婦人科医が日常的に診療する機会の多い疾患の一つである.今回我々は,子宮筋腫の術前診断にて開腹手術を行い,術後,腹膜播種性平滑筋腫症(DPL)の診断を得た症例を経験した.症例は37歳.5経妊3経産.月経痛と過多月経,および腹部膨満感を主訴に当科来院.内診,経膣・経腹超音波,MRI検査上,子宮体部後璧に86×73mmの腫瘤性病変を認めたため,子宮筋腫の術前診断にて開腹手術を施行した.開腹所見としては,腹腔内に少量の滲出液を認め,子宮は新生児頭大に腫大し,弾性軟であった.両側附属器は肉眼的には正常であった.S状結腸と左附属器の軽度癒着を認めたが,他には特に癒着を認めなかった.ダグラス窩腹膜に米粒大の結節性病変を少数認めた.型通り単純子宮全摘出術を行い,大網を整えたところ,大網に40×30mm大の表面平滑で一見筋腫様の腫瘤を認め,その他にも大網および小網全体に米粒大〜粟粒大の結節性病変を無数に認めた.そのため40×30mm大の大網腫瘤,および米粒大の腫瘤性病変を含む大網の一部を切除した.術後病理組織検査にてDisseminated Peritoneal Leiomyomatosisの確定診断を得た.術後経過は良好で,術後10日目に退院し,現在外来にて経過観察中である.上記の症例に若干の文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
303-303, 2004
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