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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
その他の腫瘍 当院における子宮動脈塞栓術症例の検討
田中 利隆, 西原 沙織, 坂本 愛子, 渕脇 泰介
浦安市川市民病院産婦人科
(緒言)近年子宮筋腫の治療はより低侵襲な治療法へと向かっている.特に最近では内視鏡を併用した手術や,子宮動脈塞栓術(Uterine artery embolization:UAE)による保存的療法が注目をあびている.UAEは,子宮全摘術と比較すると多くの利点があり,今後その重要性が高まる治療法であると思われる.(対象)当院では1)子宮筋腫による臨床症状があり,対症療法が著効しない.2)手術を希望しない.3)子宮癌検査が陰性である.4)挙児希望がない.などの条件を満たしている場合,UAEを行っている.手術前日に入院,硬膜外麻酔カテーテルを挿入し,術中より塩酸ロピバカイン,塩酸モルヒネの持続注入を開始,術後よりNSAIDsの内服を併用している.また術後より感染予防のため,抗生剤の点滴を行なっている.今回,平成13年12月から平成15年12月までに当院でUAEを施行した7例について検討をおこなった.(結果)7例の年齢の平均は43.4歳だった.それぞれ縮小率は16.7%から81.5%で平均は約50%であり,主な筋腫の部位は筋層内筋腫5例,漿膜下筋腫1例,粘膜下筋腫1例だった.粘膜下筋腫の症例は,半年後TCRを施行したが,黄色調に変性した筋腫を認めた.過多月経,月経痛は全例で著名に改善認められた.術後疼痛はほとんど認めず,また重篤な感染を起こした症例は無かった.(考察)子宮筋腫に対しUAEは非常に高い満足度の得られる,安全で効果の高い治療法と思われる.また今回の7症例,文献的報告からUAE問題点,今後の課題などを考察する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
303-303, 2004
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