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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠1 両側卵管妊娠の一症例
三宅 麻喜, 笠井 剛, 島 崇, 端 晶彦, 平田 修司, 星 和彦
山梨大学産婦人科
ART後の妊娠例では,子宮外妊娠の発生を念頭に置き,注意深く観察することが重要であるが,子宮外妊娠が複数箇所で起ることもある.今回我々はARTによらない両側卵管妊娠の一例を経験したので報告する.【症例】32才0経妊0経産 既往歴なし【現病歴】2002年9月18日,60ヶ月間の原発性不妊を主訴に当院不妊外来を初診した.クラミジア抗体陰性で,子宮卵管造影検査は正常であった.無排卵症にてクロミフェンを内服するも卵胞発育を認めず,FSHも11.3mIU/mlであったためhMGにて排卵誘発をすることとし,消退出血の3日目よりhMG150単位を9日間投与し12日目に右卵胞2個,左卵胞4個認め,hCG5000単位を投与した.hCG投与日から数えて22日目に妊娠反応陽性であった.29日目の血中hCGは13300mIU/mlで子宮内に胎嚢は認めず,ダグラス窩に児心拍を認めたため子宮外妊娠の診断にて緊急手術となった.腹腔鏡にて両側卵管膨大部がソーセージ状に腫大しており,両側卵管采より血腫が排出されていた.患部を縦切開し妊娠成分を摘出した.その後の通色素検査では右卵管の通過性は確認できたが,左卵管の通過性は確認できなかった.病理組織学的診断では両側の摘出物に絨毛を認め,子宮内容物は脱落膜のみであった.術後41日目に妊娠反応は陰性となった.術後の子宮卵管造影では右の卵管通過性は認めたが,左卵管通過性は認めず,卵管留水症を両側に認めた.【結語】過排卵刺激による複数箇所の子宮外妊娠症例を経験し報告した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
304-304, 2004
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